Authors
田辺晋, 中島礼, 中西利典, 石原与四郎, 宮地良典, 木村克己, 中山俊雄, 柴田康行
Publication date
2007/2/28
Journal
地質調査研究報告
Volume
57
Issue
9-10
Pages
261-288
Publisher
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
Description
下総台地と接する東京低地の東縁には, 標高-40~ 0 m に N 値 20~ 50 の砂体が分布している. この砂体は中・上部更新統の下総層群や沖積層の中間砂層として解釈されてきた. しかし, その詳細な分布や成因については不明な点が多い. 東京都葛飾区の新宿地区と高砂地区から採取した 2 本のボーリングコア堆積物の岩相と生物化石相の詳細な観察と放射性炭素年代測定の結果, この砂体は下総台地の南縁の市川砂州から北西方向に伸長する砂嘴堆積物であることが明らかになった. 砂嘴は, 完新世中期以降, 奥東京湾口の千葉県市川市から葛飾区高砂地区にかけて幅 5 km にわたって発達した. 砂嘴堆積物の本体は貝化石が点在する砂層から構成されるのに対し, その縁辺は再堆積した貝化石や中礫を多く含む砂泥互層から構成される. 砂嘴堆積物は, 東京低地の臨海部や中川低地に分布するデルタ性の内湾泥層と比べ, 砂粒含有率と密度が大きな砂層から構成される. よって, その分布は地震動予測や都市計画を行うにあたって重要になると考えられる.
Total citations
2007200820092010201120122013201420152016201720182019224541311
Scholar articles
田辺晋, 中島礼, 中西利典, 石原与四郎, 宮地良典… - 地質調査研究報告, 2007